ごちゃまぜの家日誌

横浜市港北区富士塚にあります、ごちゃまぜの家の日誌です。

【5月18日】いつでも祝福されている(よりこ)

そういうふうにできている

私は今、圧倒的な至福に包まれている。
のっけから変なことを言っているので気が狂ったのかと思われるかもしれないけれど、楽しみにしていたワークショップを無事に終えることができた。

無事に終えることができたなんてものじゃなくって、私にとっては200点満点の出来で、なんとも言い表せない、しあわせな感情に包まれているのである。

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開催するにあたってひととおりの不安があった。
まず、参加者の人数。

5月15日に募集の記事をあげたとき、すぐに反応があって、1件のお申し込みをいただいた。
さすが、ごちゃまぜの家日誌だな、この分だと5~6人くらい申し込みがあるのかもしれない。
そう思い、3日過ごしたけれど、結局申し込みはこの1件のみだった。

申し込みをしてくださった方は、以前、わたり食堂にいらしたことがあるという。
わたり食堂は私も参加したことがあるが、けっこう大人数の催しである。
だいぶ雰囲気が違ってくる。

なので私は正直に、明日の参加者はあなたがおひとりです、という趣旨のメールを昨夜送った。
もしかすると、ひとりだったら参加しないですという返事が来るかもしれないとも思っていた。

しかし返信は、明日、14時頃伺いますという内容だった。

実は、私がこのワークショップを受けたときは、だいたい20人くらい人がいた。
1対1でのマンツーマンでうまくいくのだろうか。
なんとなくイメージがつかめず、やりにくいなと感じていた。

あとは、無料で開催するワークショップはドタキャンされやすいということを知人から聞いたことがあり、もしかしたら当日になって来ないこともあるのかなと思っていた。
無料ワークショップは敷居が低く、申し込みしやすい、ゆえにドタキャンの発生率も高いというのだ。

さらに困ったことが起きる。
ワークショップで読み上げるストーリーがあるのだが、なんとなく準備に気が乗らなくて(きっと緊張のせいだと思う)、テープ起こしができずにいた。

昨日Sさんと話をする中で、無理しなくても大丈夫、気負うことはないと開き直った私は、私が受けたワークショップの音声ファイルを使おうと思っていた。
なんなら、私も実際に参加者の方と一緒にもう一回、受けようかなと思っていた。

ところが、実際にごちゃまぜの家のスピーカーに音源を流してみると、この音声ファイルの声が小さく参加者に聞こえないことが判明した。
参った。
本番は明日、時間がない。

1時間弱の音源をテープ起こししなければならない。
もちろん初めて読むので、ある程度読み込んでおかなければならない。

そんな中で、昨夜はお風呂に入って寝た。
それが昨日の深夜2時過ぎ(正確には今日)。
朝が弱い私は、今朝、起きられる自信がなかった。

いちおう、7時半を目標にしていたが、案の定起きられず、8時前に目が覚めた。
そこからものろのろと洗濯をしたり雑用をしたり、エンジンがかからない。

9時すぎにようやっとエンジンがかかる。
そこからは、師匠の音声を進んでは戻りながら聞いて、テープ起こしをした。

師匠の声が心にしみる。
素晴らしいな。

音声を聞きながら、師匠だから心に響くんじゃないだろうか、私が読み上げたところで来てくださる方の心に届くのだろうか。
そんな不安が頭をよぎる。

11時になり、一応すべてのストーリーを書き起こすことができ、ご飯を食べようとすると、Yさんが掃除機を掛け始めた。
勝手な思いだけど、今日のワークショップでお客様をお迎えするためにお掃除してくださっているのかな、と思うと胸が熱くなった。
私が至らないから、代わりにやってくださっているのかもしれない。

ありがとう、ありがとう、ありがとう。

本当に感謝しながら、邪魔にならないようにご飯を食べた。
あとで全然違う理由だったことが判明するが、それは後ほど。

実は、私はこのワークショップを開催するにあたり、住人の方にお願いしていることがひとつあった。
それは、住人の方(要するに私のことをよく知っている方)がいらっしゃるとうまくしゃべることができないので、ワークショップの間はのぞかないで欲しい、ごちゃまぜの家を貸し切りにして欲しいということだ。

平日のお昼過ぎなので、多分みなさん出かけていらっしゃるだろうとあんまり意識していなかったのだが、私の言ったことなどおかまいなしに、住人のYさんから何か手伝えることはないかと言われた。

Yさんはワークショップ当日は夜勤明けで、お昼にはごちゃまぜの家にいると思うから、何か手伝うと言う。
困ったな、どうしたらいいんだろう、と思いながら、何か手伝いたいというやさしさと熱意に負け、何か手伝ってもらえることってあるだろうかと考えてみた。

いやいや、そもそも夜勤明けは無理でしょと思いつつ、じゃあおにぎりとお味噌汁作ってもらえたら嬉しいですと答えてみた。
私はYさんの作るお味噌汁が大好きなのだ。

Yさんはわかったと言って、手伝ってくれることになった。

だが、待てど暮らせど帰ってこない。
いつになったら帰ってくるのだろうと思いつつ、テープ起こしをしていた。

掃除機をかけてくださったYさんと入れ替わるように、手伝うとおっしゃっていたYさんがご帰宅された。
Yさんは部屋に入ってくるなり座り込み、かなりくたくたのご様子。

案の定というか、やっぱりなと思った。
夜勤明けってほんとにつらい。

手伝うって言ったのに、手伝う気力がない。
ごめんねとYさんは言った。

その代わり、ではないのかもしれないけれど、Yさんは豆大福を買ってきてくださっていた。
ワークショップに来た方といっしょに食べてねという心遣い。

また胸が熱くなった。

この家の方々は本当になんて優しいんだろう。
なんて素敵な人に囲まれているんだろう。

ちょうどお茶を入れていたので、Yさんとふたりで豆大福を食べた。
そしてYさんは寝るために部屋の方へ戻っていかれた。

 ワークショップが始まる

13時を過ぎた頃、スマホのバイブ音が聞こえた。
私はけっこうバイブに気づかないことが多いので、そのときは運がよかったと言ってもいいと思う。

スマホを手に取ってみると、LINEのメッセージが届いていた。

それは、ついさきほど、このごちゃまぜの家日誌を読み、ワークショップについて知った方からだった。

いつかの記事で載せた、私のLINEのQRコードを読み取ってくださったのだろう。

多分時間内に着くと思うので参加できないかという内容だった。

上記にあるように、マンツーマンのワークショップのイメージがうまく描けない私にとっては、願ってもない連絡だった。
大丈夫の旨、返信をして、参加者が増えることをひとりで喜んだ。

14時過ぎにごちゃまぜの家の電話がなった。
きっと参加者のどちらかだろうと思って電話を取る。

でも、ふたりとも一度はわたり食堂に来たことがあるということだったので、迷うはずはないと思うんだけどな。
すると果たして、参加者のおひとりで、迷っているとのこと。

近くに何か目印があるかと尋ねつつも、それを聞いたところで私もわからんと思っていた。
この周辺でどこに何があるのかなんて、さっぱりわからない。

外に出て、参加者らしき人を探していると、向こうから人が歩いてくる。
なんとなしに見てみると、坂爪さんだった。

今日帰ってくるのは住人の方から聞いて知っていたが、こんな早いんですかと思った。
おかえりなさいと声をかけた。

それからちょっと歩いて、参加者の方を探した。
目印に言っていた場所を見つけることができ、そのあたりをうろうろする。

なかなか遭遇することができなかったので、いったん家に戻ろうかと思っていると、後ろから人が来た。
参加者の方だった。

なんと、私が送った案内の住所が間違っていたらしい。
その節は本当にすみませんでした。

あがってもらい、お茶を飲んでもらう。
もうひとりの方もほどなくしてみえ、ワークショップの始まりとなった。

最初に参加者の方に作業してもらい、あとは、ストーリーを読むのに集中した。
読みながら、心に届いているだろうかと常に不安に思っていた。

流していたBGMに耳を傾け、とにかく落ち着いてストーリーを読み進めていった。
ストーリーが残り1/4くらいとなったところで、参加者のひとりが洟をすする音が聞こえた。

泣いていらっしゃるんだ。
私の声が確実に届いているんだ。
その瞬間、大きな安堵が私を包んだ。

それからは、何も気にならず、心が思うままにワークショップをすすめていくことができた。

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言えると癒える

参加してくださったおひとりは、誰にも話せない、でも誰かに話したい、というものをたくさん抱えていらっしゃる印象を受けた。
でも、私は、人の話を聞くことも、引き出すこともあんまりうまくできない。

住人のYさんを見ているとすごいと思う。
訪問者からさりげなく話題を引き出し、膨らませる。
私にはとても真似できないことなので、本当にうらやましい。

だが、そこは問題ではなかった。
もうひとりの参加者が、絶妙なタイミングで話を引き出してくださるのだ。

私はしばし、おふたりの会話に耳を傾けていた。
ひとりが話し始め、とまるともうひとりの方の話がはじまる。

そんなふうにぽつぽつと、でも確実に、とめどなく話が続いていった。

すべてはきちんと準備されているんだと思った。
余計な心配などしなくても、すべてがあるべき場所にあるべき形に収まるんだと思った。

坂爪さんは昨日のブログいばや通信で、いまの私だからこそ寄り添えるひとがいるという趣旨のことを書いていらしていたけれど、私は人の話など聞けないと思っていた。

今日わかったことは、私の役割は、誰かが話せる場を作ることなのかなということだ。

場を作れば、多分、話をしたい人と話を引き出してくれる人の両方が現れるだろう。
私は余計なことは考えず、ただそこにいるだけでいい。

今日の成功は、場の力も大きいと感じた。
ごちゃまぜの家は、何時までに出て行かなければならないということもないから、ワークショップでエネルギーを使い果たした後回復する時間は十分にあるし、そもそもビルの貸会議室とは比べ物にならないくらいリラックスできる度合いも違ってくるだろう。

泣いた人にはのどを潤して欲しい。
ごちゃまぜの家なら、お湯を沸かしてお茶を淹れて差し上げることもできる。

これ以上ないくらい、完璧な空間だと感じた。


そして、私は、このワークショップを続けていいんだと思った。
ごちゃまぜの家を離れることになっても続けて行きたいと思った。

そして開催する場所は、座敷でゆっくりリラックスできる、キッチンのある場所。
そんな場所でお客様をお迎えしたい。

今日はワークショップの話ばっかりになってしまったが、そもそも最近、ごちゃまぜの家日誌というよりもただの一個人の記録みたいになっているが、ご容赦いただければと思う。

それでは、また明日♪

つぼぐちよりこ